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スターライトのサステナブルへの取り組み

前編:素材から“環境配慮”をつくる

後編:出荷・梱包の現場から“使い捨てプラゼロ”へ

気候変動対策やカーボンニュートラルへの取り組みが急がれる中で、「プラスチックをどう環境配慮型にしていくか」は多くのメーカーに共通するテーマになっています。
スターライト工業もその例外ではなく、トライボロジーの現場で培ってきた材料技術を生かしながら、バイオマスプラスチックを高機能材料として活用する挑戦を進めています。

本コラム前編では、バイオマスプラスチックとは何か、なぜスターライトが“素材レベル”からバイオマスに取り組むのか、協働ロボット用ブレーキ摩擦材「X2101」を例とした具体的な開発事例を中心にご紹介します。
後編では、出荷・物流の現場での取り組みへと視点を広げていきます。

目次

読了目安:約5分

バイオマスプラスチックで「環境配慮」と「性能」を両立させる

バイオマスプラスチックとは、植物など再生可能な資源を原料に用いたプラスチックのことです。燃やした際に排出されるCO₂は、もともと植物が大気から吸収したものとみなされるため、ライフサイクル全体で見るとカーボンニュートラルに貢献できる素材として期待されています。

スターライトが注力しているのは、こうしたバイオマスプラスチックを単なる「エコ素材」にとどめず、摩擦材や構造部品などの“機能部品”に使えるレベルまで高機能化することです。
グループの技術サイト「ともつくラボ」でも、植物由来の樹脂をベースに、これまでにない新素材を開発していること、さらには業界初となるバイオマス樹脂ヘルメットを市場投入し、建設現場のサステナブルな取り組みをリードしていることが紹介されています

つまりスターライトのバイオマスへの取り組みは、「石油由来プラスチックを置き換える」だけでなく、


 「環境配慮と高機能化を同時にかなえる新しい素材設計」に踏み込んでいる点が特徴と言えます。

協働ロボット用ブレーキ摩擦材「X2101」に込めた狙い

その象徴的な事例が、協働ロボット向けブレーキ摩擦材「X2101」です。
2022年、スターライトは非可食バイオマス由来樹脂を用いたブレーキ摩擦材X2101を開発し、大阪工研協会の「第72回工業技術賞」を受賞しました。


非可食バイオマスを原料にすることで、食品との競合を避けつつ、環境負荷低減と高機能化の両立を図っています。

1. 協働ロボットに求められる“静かに、確実に止める”性能

その象徴的な事例が、協働ロボット向けブレーキ摩擦材「X2101」です。
2022年、スターライトは非可食バイオマス由来樹脂を用いたブレーキ摩擦材X2101を開発し、大阪工研協会の「第72回工業技術賞」を受賞しました。


非可食バイオマスを原料にすることで、食品との競合を避けつつ、環境負荷低減と高機能化の両立を図っています。

2. 「量産しやすい熱可塑性樹脂」であることの意味

もう一つのポイントは、X2101が熱可塑性樹脂をベースとした摩擦材であることです。
従来、ブレーキ材料には熱による特性変化が小さい熱硬化性樹脂ベースの摩擦材が多く用いられてきましたが、成形プロセスの自由度やリサイクル性には課題もありました。
X2101は射出成形に適した熱可塑性樹脂ベースのため、
ロボット用ブレーキの量産に対応しやすい
成形条件や配合を調整することで、摩擦係数をターゲットに合わせてチューニングしやすい
という利点があります。ロボット専門メディアの取材では、バイオマスプラスチックの配合を微調整することで、ユーザーの要望に応じた摩擦特性を実現していく方針が語られており、協働ロボット市場の多様なニーズに応える素材として位置付けられていることがわかります。

3. 環境価値を“おまけ”にしない材料設計

X2101では、材料組成の25%以上がバイオマスプラスチックでありながら、高温域での性能を従来材以上に引き上げています。


ここで重要なのは、「環境に良いから、多少性能が落ちても仕方がない」という発想ではなく、
摩擦性能
耐摩耗性・耐久性
静音性
量産性
といったエンジニアリングプラスチックとしての要求性能を満たした“うえで”バイオマス化を実現している点です。
このように、スターライトのバイオマス材開発は、機能部品としての実用性を前提にした「性能起点のサステナビリティ」と言い換えることができます。

バイオマスは「環境のため」から「価値を生む素材」へ

バイオマスヘルメットやブレーキ摩擦材X2101に共通しているのは、

  • 既存製品の一部をバイオマス材に置き換えるのではなく
  • 製品コンセプトや設計思想の中に、最初から「環境配慮」を組み込んでいる

という点です。
たとえば、協働ロボットのブレーキ材であれば、

  • CO₂排出削減に寄与するバイオマス由来樹脂を使いながら
  • ロボットの静音化や、ブレーキの信頼性向上にも直結する性能を実現する

ことで、「環境にやさしいから採用する」のではなく、性能・安全・環境の三拍子がそろった“選ばれる材料”として提案できるようになります。

後編(Part2)
― サプライチェーン全体のサステナブルの取り組み

本コラム前編では、スターライトのサステナブルへの取り組みのうち、
バイオマスプラスチックという素材の位置付け
協働ロボット用ブレーキ摩擦材X2101に代表される材料開発の事例を中心にご紹介しました。

後編(Part2)では、出荷時の包装材・輸送段階でのバイオマス樹脂活用やプラスチック削減の取り組み
といった、サプライチェーン全体で環境負荷を下げていくための仕組みづくりにフォーカスしていきます。

素材から、物流の現場まで。
 スターライトが考える「バイオマス×ものづくり」のサステナブルな全体像を引き続きご紹介します。